本の”自炊”という言葉を聞いたことはあるけれど、「本の”自炊”について詳しく知らない」「いきなりやるのは難しそう」と思う方も多いのではないでしょうか。
本の”自炊”は、必要な道具とやり方のコツさえ分かれば、意外にも簡単にできます。
また、本の自炊をすることで、大切な本の劣化が防げたり保管場所に困らないなど、さまざまなメリットも。
そこで今回は、本の自炊について初心者でもできる本の自炊のやり方とメリットを紹介します。
本の”自炊”とは?
本の自炊とは、紙の本をスキャンして電子化することをいいます。
紙の本をバラバラにして、スキャナーでPDFやJPGなどのデジタルデータとして取り込みます。
本を自炊するメリットは、本の劣化を防げたり本を楽に持ち運べたりとさまざまです。
「紙の本を購入したいけれど保管に困る」「電子データとして本を保管したい」という方におすすめです。
初心者でもできる!本の自炊のやり方
以下では、初心者でも簡単にできる本の自炊のやり方をご紹介します。
STEP1 必要なものを準備する
自炊を行うために必要なものは、主に以下の4つです。
- 裁断するための本
- 裁断機
- スキャナー
- データを入れるための端末(パソコンやタブレット、スマートフォンなど)
「わざわざ裁断機を買うのもな…」という方は、カッターと30cm定規を用意しましょう。
STEP2 表紙をはずす
カバーを外した状態の本の表紙(厚紙部分)を外していきます。
手でも綺麗に外せますが、心配な方は裁断機もしくはカッターで切り落としましょう。
特にハードカバーの本は、造りがしっかりしています。
無理に手で外さずに、カッターなどで表紙と背表紙それぞれに切り込みを入れてから外すことをおすすめします。
外した表紙は、捨ててしまってOKです。
STEP3 本の中身を裁断機で裁断できる厚さに分ける
表紙を外したら、裁断機の性能に応じてカッターで本の中身を数枚〜数十枚の束に分けます。
紙束ができたら、紙をまとめている接着部分を切り落とします。
カッターで行う場合は、接着部分から少し離れたところに物差しを置いてまっすぐ刃を繰り返し走らせましょう。
裁断機で行う場合も刃こぼれや読み取り部分が汚れてしまう恐れがあるため、接着部分ギリギリで裁断しないよう注意が必要です。
STEP4 スキャナーで一枚ずつ取り込む
本の裁断が完了したらスキャナーにバラバラにした本を一枚ずつセットし、データとして取り込みます。
ここで注意したいのが、スキャンする枚数です。
一気に全てをスキャンし終えたいと思うかもしれませんが、何枚かに分けながらスキャンし裁断の不備や見やすさを確認しながら進めるのがおすすめ。
場合によっては裁断が上手くできておらず、読みづらいことも…。
その際は、裁断をし直して再度スキャンしましょう。
STEP5 データを確認して格納する
全てのスキャンが完了したら、最後にデータを確認しましょう。
問題が無ければ、自炊用のフォルダにデータを格納して自炊完了です。
保存したデータはタブレットやスマートフォンなど、自分が読みやすい方法でデータ共有しましょう。
本の自炊をするメリット・デメリット
本の自炊をするメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット
一つ目のメリットは、保管場所に困らないことです。
自炊は本の内容をパソコンやタブレット、スマートフォンなどの中にデータとして保管します。
そのため、本棚を用意する必要がありません。
自炊は「本の置き場所に困る」「部屋の中が本で溢れてしまう」という方に特におすすめな本の保管方法です。
二つ目のメリットは、本を楽に持ち運べることです。
通勤や通学で本を持っていく方は多いのではないでしょうか。
本をカバンの中に入れていると、いつの間にか本のページが折れてしまっていたり、破れてしまっていたりという悲しい声もよく聞きます。
しかし、自炊は本自体に傷がつく心配がなく、気楽に本を持ち運ぶことができます。
また、たくさんの本をデータ化しておけば大量の本を持ち運ばずとも、気分にあわせて好きな本が読めます。
三つ目のメリットは、劣化の心配がないことです。
紙の本は、丁寧に保管をしていたとしても長い年月を経ると劣化してしまいます。
特にお気に入りの本であれば、いつまでも綺麗な状態で保管しておきたいですよね。
自炊で本をデータ化すれば、一生劣化することなく綺麗な状態で本が保管できます。
デメリット
一つ目のデメリットは、時間と手間がかかることです。
作業に慣れればスムーズにいくかもしれませんが、初心者の場合は手間取ってしまうこともあるでしょう。
また、裁断が綺麗にできなかったりスキャンが上手くいかなかったりすると、自炊の時間はより長くなります。
自炊をすると決めたら、まとまった時間を確保しておきましょう。
二つ目のデメリットは、初期費用がかかることです。
裁断機とスキャナーのおおよその金額は以下の通りです。
- 裁断機 1万~4万円
- スキャナー 2万~6万円
一度に裁断できる枚数や紙の読み取り速度・解像度によって、値段は大きく異なります。
頑張って費用を抑えたとしても、3万円前後の出費は覚悟する必要があるでしょう。
三つ目のデメリットは、本を所有する喜びが得られないことです。
読書好きな人の中には、紙の本を手に取ったときの安心感を得ることや本棚を持つことに楽しさを感じることが好きという人もいます。
しかし、自炊をすると本を手に取ってページをめくったりしおりを挟んだり本を閉じたりといった一連の流れがなくなります。
紙の本での読書に慣れている人がデータ化した本を読むとなると、読んだ気がしないという気持ちになるかもしれません。
本を自炊する際の注意点
本を自炊するにあたって、いくつか注意する必要があります。
本を自炊する際の注意点は、以下の通りです。
自炊に完璧を求めすぎない
一つ目の注意点は、自炊に完璧を求めすぎないことです。
裁断した紙の大きさがバラバラになってしまったり、スキャンした紙の向きが少し曲がってしまったりすることもあるでしょう。
上手くできなかったからと言って1枚1枚やり直してしまうと、かなりの時間がかかってしまいます。
多少のズレがあったとしても「読めればいいか」という気持ちでいることが大切です。
裁断後に紙同士がくっついていないかをめくって確認
二つ目の注意点は、裁断後に紙同士がくっついていないかをしっかりと確認することです。
特に、本に付箋を貼る方に注意したいのですが、時が経ってから付箋をはがすと、はがした箇所がベタベタしていたという経験はありませんか?
粘着力は弱いため、すぐにページを開くことができますが、閉じるとすぐにくっついてしまいます。
紙同士がくっついていることに気が付かず、重なったままスキャンしてしまった…
なんてことにならないためにも、裁断後は紙をぺらぺらとめくってしっかりと確認しましょう。
最後にしっかりと確認してから原稿を処分する
三つ目の注意点は、最後に全てのページがスキャンされたかを確認してから原稿を処分することです。
自炊ができた達成感から、全てのスキャンが終わった後すぐに原稿を処分したくなるかもしれません。
後からスキャンしたデータを見返したとき、表紙やページの抜け漏れを発見したけれど手元に原稿が残ってない…
なんてことは絶対に避けたいですよね。
スキャンして終わり!ではなく、最後により注意深くデータを確認してから原稿を処分するようにしましょう。
まとめ
今回は、本の自炊について初心者でもできる本の自炊のやり方とメリットを紹介しました。
本の自炊とは、紙の本をスキャンして電子化することをいいます。そして、初心者でも簡単にできる本の自炊のやり方と自炊をするメリットは、以下の通りです。
家にあるたくさんの本を自炊して電子化すれば、本が置かれていた場所がスッキリすることはもちろん、毎日本を持ち運ぶ苦労もなくなります。
自炊を通して、きっとあなた自身の身も心も軽くなることでしょう。
「紙の本を購入したいけれど保管に困る」「電子データとして本を保管したい」という方は、ぜひ自炊にチャレンジしてみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。