フリーランスは社会保険に加入している会社員と異なり、受けられる社会保障がやや手薄であるゆえ、民間の保険について考えることが大切です。
とは言っても、さまざまな種類の保険があり、どの保険を選べばいいのか分からない…と悩む方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、フリーランスが保険に加入すべき理由とおすすめの保険について紹介します。
フリーランスが加入しなければならない公的保険
”国民皆保険制度””公的年金制度”が導入されている日本では、全ての国民が公的医療保険と公的年金に加入することが義務付けられています。
これらの公的保険は、会社員が加入する社会保険と内容が異なることをご存知でしょうか?
フリーランスにおすすめの保険を紹介する前に、まずは公的保険について確認しておきましょう。
国民健康保険
国民健康保険は、フリーランスをはじめとする自営業者や、パートタイム労働者、アルバイトなどの非正規雇用者などが加入する公的な医療保険制度です。
国民健康保険に加入することで、医療費の7割が補助されたり予防医療や健康診断などを受けることができます。
ただし、保険料は所得に応じて決まるため、収入が高ければその分保険料も高くなります。
国民年金保険
国民年金保険は、15歳以上の全ての国民に加入義務がある公的な年金制度です。
一定の年齢に達すると老齢基礎年金を受け取ることができ、特定の条件を満たす場合には『障害基礎年金』『遺族基礎年金』といった種類の年金を受け取ることも可能です。
また、年金の受給額は保険料の納付期間や年間の支払額によって決まります。
加えて、国民健康保険と同様、保険料は所得に応じて決まるため、収入が高ければその分保険料も高くなります。
介護保険
介護保険は、フリーランス・会社員にかかわらず原則40歳以上の人に加入義務がある公的な保険制度です。
その目的は、高齢者や障がいを持つ人に対して社会全体で支援することです。
加入者自身が介護が必要になった際、身体介護や生活援助、医療的なケアといったさまざまな介護サービスを受けることができます。
保険料は、所得や年齢、世帯構成などによって決まります。
フリーランスが民間の保険に加入すべき理由は?
フリーランスの中には「公的保険で最低限保障されているから、個人で保険に入る必要はない」と考える方もいるかもしれません。
ですが、前述したようにフリーランスの場合は社会保障がやや手薄なため、民間の保険などでさまざまなリスクに備える必要性が高いといえます。
そこで以下では、フリーランスが保険に加入すべき理由について説明します。
仕事のトラブルや事故に備えるため
フリーランスは自営業者として仕事を行っており、クライアントとの契約や業務遂行中にトラブルや事故が発生する可能性があります。
クライアントからの訴訟や損害賠償請求、情報漏えいといったさまざまなケースが考えられ、場合によって数百万円〜数千万円の金額を請求されてしまうことも…。
保険に加入することで、そのようなリスクに備えることができます。
病気やケガによる収入の保護
フリーランスが加入する社会保険には、傷病手当金の給付がありません。
そのため、病気やケガによって仕事ができなくなってしまうと収入が途絶える可能性があります。
このようなリスクに対処できるよう、貯蓄や保険で生活を支えることが大切なのです。
老後の資金準備
フリーランスが将来受け取る老齢年金の受給額は、会社員と比べて少ないと言われています。
そのため、退職後の生活資金や家族に必要な資金などに自ら備えておく必要があるのです。
保険に加入しておけば、老後の生活資金を準備することができます。
フリーランスにおすすめの保険5選
フリーランスにおすすめの保険5つは以下の通りです。
それぞれについて詳しく確認していきましょう。
❶医療保険
医療保険は、ケガや病気による入院・手術などの医療費の負担を軽減してくれる保険です。
前述した公的な医療保険では、入院した際の差額ベッド代や食事代などは保障の対象外であるゆえ、全額自己負担となってしまいます。
ですが、民間の医療保険に加入していれば、公的な医療保険ではまかなえない経済的負担に対する備えをすることができます。
また、がんに特化したがん特約や三大疾病特約など、自分の希望に応じて保障を手厚くすることができるのも民間の医療保険ならではです。
❷所得補償保険/就業不能保険
所得補償保険・就業不能保険は、ケガや病気によって働けなくなった際、一定期間に渡って収入の減少に対する補償が受けられる保険です。
どちらの保険も加入することで、生活費や固定費の支払いが継続できて経済的な安定を保つことができますが、それぞれ以下のような違いがあります。
・損害保険会社が取り扱っている
・一時的な収入喪失をカバーするものであり、
ケガや病気によって働けなくなった場合に一定期間の補償を受けることができる
・保険期間は一般的に1~5年
・保険金を受け取れる期間は最長2年
・生命保険会社が取り扱っている
・労働能力の喪失に対する保険であり、一定期間以上働けなくなった場合に給付金が支払われる
・保険期間は”60歳まで”といったような年齢や”10年”といった年数で決める
・保険金を受け取れる期間は保険商品によって異なる
❸収入保障保険
収入保障保険は、死亡または高度障害になった場合、一定額の保険金を保険期間の満了まで受け取れる保険です。
残された家族の安定した生活をサポートするのに役立ちます。
収入保障保険の特徴としては、掛け捨てタイプであること。
受取額が年々減少する分、お手ごろな保険料で加入しやすい保険の一つといえます。
保険の”掛け捨て”、すなわち『掛け捨て保険』とは、支払った保険料が返ってこない保険のことを指します。
一定期間保険期間が満了になった場合、これまでの保証は無くなり、保険料が戻らないことから”一定期間の保険”と考えるとよいでしょう。
ちなみに、掛け捨て保険の反対は『貯蓄型保険』であり、毎月の保険料が積み立てられていき、解約時もしくは保険期間の満了時にお金が戻ってくるものがあります。
❹個人年金保険
個人年金保険は、老後の資金を確保するための保険です。
一定の年齢まで保険料を支払い、一定期間または定年退職後に年金として給付金を受け取ることができます。
また、一定の条件を満たすことで個人年金保険料控除の対象となるため、節税効果が期待できるでしょう。
公的年金だけでは十分な年金収入を得られないフリーランスにとって、大きな安心を得られる保険であるといえます。
❺賠償責任保険
賠償責任保険は、取引先のクライアントに対して負う損害賠償責任を補償する保険です。
万が一、事故やミスによってクライアントに損害を与えた場合、フリーランスはその責任を全て負わなければなりません。
賠償責任保険では、そのような事態が発生した際、損害額や訴訟費用を保険会社が代わりに補償してくれるのです。
賠償責任保険に加入することで、意外な出来事や訴訟による財産・資産のリスクから身を守ることができます。
まとめ
今回は、フリーランスが保険に加入すべき理由とおすすめの保険について紹介しました。
社会保険とは異なる公的保険に加入しているフリーランスにとって、保険について考えることは非常に大切です。
自分自身や家族の将来にも深く関わるため、どのような保険が適しているのかをじっくりと比較してみましょう。
「保険を選ぶのが難しい」「どの保険が合っているのか分からない」という方は、一度プロの保険アドバイザーに相談するのも方法の一つです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。